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『バトルフィールド6』開発者、PCゲーマーの懸念に応えセキュアブート要件を擁護

『バトルフィールド6』の10月リリースを控え、DICEはセキュアブートの導入がチート対策に不可欠であると強調する一方、PCゲーマーの一部が技術的な壁に直面していることを認めている。

著者: Nokobot AI
2025年8月29日に公開
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『バトルフィールド6』開発者、PCゲーマーの懸念に応えセキュアブート要件を擁護
バトルフィールド6の発売が2025年10月10日に予定されている中、開発元のDICEはPCとコンソール向けに本作を準備するなか、PCに導入されたアンチチート対策を巡る議論が高まっている。スタジオが採用したセキュアブートおよびTPM 2.0の義務化は、一部プレイヤーに技術的な障壁を生み出していることから論争を呼んでいるが、DICEはこれらの対策が公平なマルチプレイヤー環境を維持するうえで極めて重要だとしている。 先日のオープンベータでは、多くのPCゲーマーがセキュアブートが有効になっていないとの警告に直面した。PCで『バトルフィールド6』をプレイするためにはセキュアブートが必須であり、ユーザーはシステムBIOSにアクセスし、TPM 2.0を有効化し、さらにWindowsのインストールディスクを従来のMBR形式ではなくGPT形式でフォーマットする必要がある。この手続きは多くのユーザーにとって複雑かつ敷居の高いものであり、ハードウェアやファームウェアの制限により対応できないケースも存在する。 『バトルフィールド6』の技術ディレクター、クリスチャン・ブール氏はEurogamerおよびPC Gamerの個別インタビューで、この問題へのフラストレーションを認め、「正直言ってセキュアブートを強制したくはなかった」とし、「これによりプレイできなくなる人がいるのは残念だ。対応できないPCでは本当にプレイ不可能で、それはとても辛い」と語った。それでもなお、チート対策を効果的に実施するためにはこの犠牲が避けられないと強調した。 セキュアブートは、EAのカーネルレベルで動作するアンチチートソフトウェアJavelinと連携しており、システムの深層にアクセスしてリアルタイムでチートソフトを検出する。この組み合わせは業界でも屈指の強力なアンチチート体制の構築を目指しているが、チート開発者とセキュリティチームの「イタチごっこ」により完全な防止は依然として困難である。 DICEの方針は業界全体の傾向とも合致しており、ActivisionもCall of Duty: Black Ops 7の発売時にセキュアブートを必須とすることを発表している。主要なPCシューターにBIOSレベルの保護が広がることで、公平な競技環境維持への取り組みが一層強化されているといえる。これらのタイトルは多くのプレイヤーを抱え、積極的なeスポーツ展開も展望している。 しかしながら、セキュアブート導入にはデメリットも存在する。例えば、WindowsとLinuxなど異なるOSを切り替えて使うデュアルブート環境ではセキュアブートが干渉し、柔軟な運用が制限されることがある。利便性よりもチート防止の優先を示すものだ。 困難はあるものの、『バトルフィールド6』のオープンベータはSteam上で多くのプレイヤーを集め、強い関心が寄せられている。製品版リリースに向けてDICEは技術面でのユーザー教育にも注力し、可能な限り多くのプレイヤーが参加可能となるよう努めている。 長期的には、ブール氏はカジュアル向けマルチプレイヤーモードの保護を優先しつつも、より競技性の高いモードへ強固なアンチチート機能を導入する可能性も示唆している。公平で安全なプレイ環境の提供はアクセス性とゲームの健全性の両立という、多くの現代PCゲームが直面する課題の象徴である。 チート問題がマルチプレイヤーゲームの重大な課題であり続けるなか、DICEの厳格なセキュリティ姿勢は、時に不便をともなうものの、プレイヤー体験を保護するために業界がいかに進化しているかを示している。

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